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「イベリコ豚」は「黒豚」か? (1)

日本で「黒豚」と定義されている
バークシャー純粋種が六白(注*)なのに対して、
スペイン産「イベリコ豚」は全身が真っ黒な豚です。
 ~(注*)鼻緒、四肢短および尾房の6ヵ所が白い~

全身が真っ黒な豚(純黒血統豚、solid black breed)には、
「イベリコ豚」の他に、次の品種(畜種)があります。

 国 名         畜種名      Breed Name
クロアチア    ブラックスラボニアン Black Slavonian
フランス      ガスコン        Gascon
イタリー      シチリアンブラック   Sicilian Black
ポルトガル    アレンテハーナ    Alentejana
ユーゴスラビア モラバ          Morava

 ※出所:School of Veterinary Medicine Hannover

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‘黒い豚’を「黒豚」と呼べるか? ~輸入「黒豚」~

アメリカなどから
「黒豚」(バークシャー純粋種)が
輸入されています。

アメリカのバークシャー種は、
イギリスのバークシャー種と比べ、大型だと言われていますが、
アメリカがイギリスからバークシャー種を輸入したのは1823年、
アメリカン・バークシャー協会(ABA)ができたのは1875年のことです。

ちなみに、バークシャー種の原産国のイギリスで
バークシャー協会ができたのは1883年のことだそうです。

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‘黒い豚’を「黒豚」と呼べるか? ~「黒豚」のDNA分析による識別~

1999年6月15日に農林水産省畜産試験場と
社団法人農林水産先端技術産業振興センターが
共同発表した「DNA多型による食肉の黒豚識別手法を開発」によると、

~品種の特徴ともいえる毛色を支配する
 2種類の遺伝子について品種間のDNA配列の違いを明らかにし、
 この情報を用いて黒豚と他の豚を簡易に識別する方法を開発した。~

とあります。

この開発後、DNA分析による黒豚の識別が
一般の検査会社でも可能となっており、
黒豚偽装の抑止力の一つとなっています。

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‘黒い豚’を「黒豚」と呼べるか? ~「かごしま黒豚」~

「黒豚」と言えば、「かごしま黒豚」です。

鹿児島県のホームページにある
「鹿児島・畜産ストーリー(かごしま黒豚)」のページには
次の様に書かれています。

・・・引用・・・
 【逆風を耐え抜いたかごしま黒豚】
  豚は,祖先であるイノシシが家畜化され、
  キバ,鼻,毛が短くなって各地の在来種の
  原型が生まれてきたといわれます。
  鹿児島へは今からほぼ400年前、
  島津藩主によって移入されました。
  明治期になり、英国から導入したバークシャー種と
  交配することでさらに改良が進められ、
  味に磨きがかけられてきました。

  昭和30年代までは本県養豚は黒豚一色でしたが、
  昭和40年代後半から産子数が多く成長の早い白豚へ移行し、
  昭和50年には本県の黒豚出荷頭数は
  県全体の1.6%まで減少しました。
  それでも黒豚を愛する鹿児島の人々の努力と情熱で
  「かごしま黒豚」は,大切に守り育てられ、
  今では全国に不動の地位を築き、
  その品質の高さは根強い人気となっています。
・・・引用終わり・・・

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‘黒い豚’を「黒豚」と呼べるか? ~「黒豚」、偽装の歴史~

日本の「黒豚」の歴史は‘偽装の歴史’というと、
黒豚生産者に怒られるかもしれませんが、
「黒豚」は偽装されやすい豚だと思います。

それは、「黒豚」が普通の豚肉よりも高く売れることが
第一の理由だと思います。

「黒豚」の定義が決まる前の「黒豚」の偽装については、
南日本新聞社が1999年9月2日に発行した
「かごしま黒豚」(宮路直人・取材執筆)に詳しく記載されています。

「黒豚」の定義が1999年に決まった後も、
「黒豚」の偽装は何度も発覚しました。

2004年には農業団体の子会社が輸入した
カナダ産黒豚が鹿児島産黒豚と偽装されていた事件が
マスコミで大きく取り上げられました。


かごしま黒豚物語 (南日本ブックス)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 南日本新聞開発センター
  • 発売日: 1999/09
  • メディア: 単行本



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‘黒い豚’を「黒豚」と呼べるか? ~「バークシャー種」とは?~

「バークシャー純粋種の豚肉のみを『黒豚』と表示できるものとする。」

と、1999年6月14日付の
農林水産省畜産局通達「食品小売品質基準」で
「黒豚」が定義されました。

では、「バークシャー種」とはどのような豚なのでしょうか?

「世界家畜品種事典」(社団法人家畜技術協会・編)を参照すると、
「バークシャー種」について次のように記載されています。

・・・引用・・・
 イギリス南部、バークシャー州が原産地。・・・略・・・
 この地方に古くから飼われていた体重が500kgにもなる
 赤褐色または砂色の在来豚から
 レッドバークシャーRed Berkshireが作出された。
 これにアジア野猪の系統に属する
 黒色のナポリタンNapolitanまたはカセルタCasertaが交配され、
 改良されて黒色に統一された。
 1851年以降は純粋繁殖が行われ1884年から登録が開始。
 ・・・略・・・毛色は全身が黒色であるが
 「六白」と称して鼻緒、四肢短および尾房の6ヵ所が白い。
 ・・・略・・・日本に導入されたのは中ヨークシャーと同じ
 1906年(明治39年)であり、・・・
・・・引用終わり・・・


世界家畜品種事典

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  • 出版社/メーカー: 東洋書林
  • 発売日: 2006/01
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‘黒い豚’を「黒豚」と呼べるか? ~「黒豚」の定義~

「黒豚」の定義が決まったのは1999年6月14日のことです。
(適用は同年9月1日から)

農林水産省畜産局通達「食品小売品質基準」の一部改正という形で

~バークシャー純粋種の豚肉のみを『黒豚』と表示できるものとする。~

と定義されました。

★参考資料★
 月報「畜産の情報(国内編)1999年7月号」の記事
 「黒豚表示のあり方の検討結果および黒豚の定義について」

この「食品小売品質基準」の改正を受けて、
全国食肉公正取引協議会は2000年2月、
業界の自主ルールである
「食肉の表示に関する公正競争規約及び同施行規則」を改正し、
バークシャー純粋種以外の豚肉を「黒豚」の肉と表示すること、
または「黒豚」の肉であると誤認されるおそれがある
表示をすることを禁止しました。

★参考資料★
 「食肉の表示に関する公正競争規約及び同施行規則」

農林水産省生産局は2007年3月26日、
「食肉の表示に関する検討会」がまとめた
「和牛等特色ある食肉の表示に関するガイドライン」を
関係団体に通知しました。

このガイドラインの中に

~外国産のものが国産の黒豚と誤認されることを防ぐため、
 JAS法に基づく名称表示とは別に、
 シール等の任意表示を行う場合においても、
 「黒豚」と表示する場合には必ず原産地を併記するものとする。~

と記載されています。

なお、このガイドラインは、法的な拘束力はなく、
ガイドラインの中に記載されている通り、
“食肉販売事業者等の自主的な取組を促すもの”です。

★参考資料★
 農林水産省3月26日付プレスリリース
 「和牛等特色のある食肉に関するガイドラインについて」


かごしま黒豚物語 (南日本ブックス)

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  • 出版社/メーカー: 南日本新聞開発センター
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豚の祖先は猪 (イノシシ) ~その2~

「養豚」とは、大辞林第二版(三省堂)によると
「肉や皮・毛などを利用するため、豚を飼い育てること。」となっています。

豚(家畜化されたイノシシ)を飼育する養豚の歴史については、
長崎県食肉衛生検査情報発信委員会が発行している
食肉衛生検査情報誌「Ton Ton」に連載された
「養豚の歴史Ⅰ~Ⅲ」にわかりやすくまとめられています。
 ① 平成18年2月号 「養豚の歴史Ⅰ 養豚のはじまり」
 ② 平成18年3月号 「養豚の歴史Ⅱ 古墳時代~奈良時代」
 ③ 平成18年4月号 「養豚の歴史Ⅲ 平安時代~江戸時代」

豚の祖先である猪は現在も日本だけでなく世界各地で生息しています。

日本では今、猪による被害が大きな問題になっています。

「なぜイノシシは増え、コウノトリは減ったのか」(平田剛士・著)によると、
狩猟と有害鳥獣駆除で捕獲されたイノシシの数は、
2003年度に計20万492頭、
2004年度に25万2,763頭となっています。(同書164ページ)。

「ブタの動物学」(田中智夫・著)によると、
“イノシシは、ニワトリに対するヤケイ(野鶏)と同様に、
家畜の祖先種でありながら現存している数少ない動物”だそうです。


なぜイノシシは増え、コウノトリは減ったのか (平凡社新書)

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  • 作者: 平田 剛士
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 新書




ブタの動物学 (アニマルサイエンス)

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  • 作者: 田中 智夫
  • 出版社/メーカー: 東京大学出版会
  • 発売日: 2001/10
  • メディア: 単行本



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豚の祖先は猪 (イノシシ) ~その1~

猪(イノシシ)を家畜化したものが豚(ブタ)であることは、
一般的によく知られていることで、
多くの文献にも記載されていることです。

たとえば、「家畜の歴史」(F.E.ゾイナー著)には、
「ブタはヨーロッパから東アジアに分布する
イノシシの種群の子孫であることに間違いない。」
(同書286ページ)と記載されています。

「トン考-ヒトとブタをめぐる愛憎の文化史」
(とんじ、けんじ著、アートダイジェスト発行)には、

・・・引用・・・
 現在のブタは新石器時代、人類の農耕開始とともに、
 中国、インド、西アジア、ヨーロッパで
 それぞれ土着のイノシシを馴化(じゅんか)して、
 家畜にしたものだとされている。

 イノシシがブタの祖先種であることは、
 染色体が同じく三十六であり、
 どちらを雄にしても雑種が生まれ、
 その雑種の一代目は、
 雌雄ともに正常な繁殖能力を有することなどから、
 間違いないとされている。」
・・・引用終わり・・・

と記載されています(同書42ページ)。


トン考―ヒトとブタをめぐる愛憎の文化史

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  • 作者: とんじ
  • 出版社/メーカー: アートダイジェスト
  • 発売日: 2001/04
  • メディア: 単行本



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